第四回 「夜想会(セックスファンタジーナイト)」 2009年10月
仮面の告白——妄想交流会「大人のハロウィン文化祭」開催報告 2009年10月24日(土)に、「遊びの学校」の妄想歓談交流会「大人のハロウィン文化祭——夜想会(セックスファンタジーナイト)4」を開催させていただいた。まずは、荒天のため、足元が悪いにも関わらず、駆けつけていただいた方々に、深く感謝したい。 受講生と講師達で作る“大人のハロウィン文化祭”は、お蔭様で、盛会に終えることができた。今回は、時期が時期だけに、“ハロウィン”と“文化祭”がコンセプトになった。「ジャック・オー・ランタン」(お化けカボチャ)が会場を灯し、魔女やお化けに扮装した受講生や講師の“トリック・オア・トリート(Trick or treat)”——“お菓子をくれないなら、いたずらしちゃうぞ!”の掛け声とともに、ハロウィン文化祭を始めるというもの。 また、仮面を纏い、化粧をする ——仮装をすることで、いままで隠していた妄想や願望を曝け出す——妄想を歓談する交流会に、相応しい“仕掛け”ではないだろうか。また相応しいドレスコードも設けさせていただいた。ハロウィンを意識したコスチューム——幽霊、魔女、コウモリ、黒猫、ゴブリン、ゾンビ、魔神、ドラキュラやフランケンシュタインなどのハロウィン・コスプレの定番から、交流会の定番であるセクシー&キュートを意識したドレスやランジェリーまで……皆様に創意工夫をしてもらう。いままで以上に、仮装を意識していただき、コスプレ・コンテストがあることも予め、告知した。「遊びの学校」流“仮面舞踏会(まるで、少年隊か、髭男爵か)”である。 今回は、会場をホテルやアパートメントホテルではなく、幹事会とも懇意にしている方が所有するマンションのワンフロアーを「遊びの学校」の分校として、特別にレンタルさせていただいた。さしずめ、「遊びの学校」の分校(「court X」と命名)といったところだろう。 バーカウンター、キッチン、ラウンジ、ベッドルーム、プライベートルーム、シャワールームを完備。ゴージャスさとラグジュアリーさを兼ね備えた、「遊びの学校」の分校に相応しいスペースである。 開演時間の午後7時前には、最寄り駅に到着したという、今宵の主役たちからの連絡が入る。今回、会場の場所がわかりにくいため、最寄り駅に、案内人を立てることにした。勿論、案内人には、お馴染みの新進気鋭のデザイナーが作成したスタッフTシャツを着てもらう。これなら、顔がわからなくても、すぐにわかる。しかし、怪しい(!?)Tシャツを着た案内人に先導され、道を行く——まだ、コスプレはしてないものの、既に怪しい色香を放つ歌舞伎ものの一群を、周りの人達は、どう見ていたのだろか。既に、日常から非日常へと切り替わっているのだ。 川面に東京の夜景を映し出す運河に面した「court X」に入ると、受講生にはキャンディーやチョコレートなどの菓子の袋詰め(写真参照:スタッフが徹夜で内職した!)が配られる。こんなところもハロウィンの“儀式”が踏襲されている。 勿論、会場には、お化けかぼちゃをはじめ、パネルやリース、バナー、オーナメント、バルーンなど、ハロウィンのデコレーションを施した。スタッフTシャツと同デザインのポスターも張り巡らす。この辺は、まさに文化祭で、教室や講堂を飾りつける感覚に近い。 同時に、ケルトの音楽をBGMとして流す。ハロウィンがケルトの風習に由来することからだ。こんなアカデミックなところも文化祭らしいだろう。 今回の参加者は、男女とも「遊びの学校」の公開講座や懇談会などの受講者、参加者に限定。基本的に、初心者、未経験者がほとんどだ。ある程度、参加者の経験値や背景を同じくすることを意図的にした。 入場後は、なるべく早めに、着替え(仮装!?)をしていただいた。受講生達は、この日のために用意したコスチュームを纏う。妖艶な吸血鬼、優しい悪魔、淫蕩な娼婦、謎の中国人、鉞を担いだ金太郎など……華やかな会場がさらに華やかさを増していく。 参加者が揃ったところで、会場の照明が落とされる。暗くなったラウンジにある大型スクリーンには、ティム・バートン制作・総指揮の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の映像が映し出される。そして、「THIS IS HALOWEEN TOWN」が流れる。前回同様、ハロウィンらしいオープニングに拘らしていただいた。オープニング・テーマが終わると、会場が明るくなる。本校の名誉校長である「遊びの時間」のミック様の挨拶。開会を高らかに宣言する。そして、乾杯。 さらに、恒例の自己紹介である。受講生達も懇談会や見学会の経験からか、単に名乗るだけでなく、軽妙で洒脱な、気の利いたコメントを付け加える。こんなところにも成長の跡が伺え、頼もしい限りだ。 自己紹介後、ミック様からは、コスプレ・コンテストの投票方法が発表される。選出するのは3組。ハロウィンらしいコスプレをした「ハロウィン・クイーン」、セクシー&キュートなコスプレをした「コスプレ・クイーン」、上記は当然、女性である。そして、男性はセクシー、かつ、ユーモラスなコスプレをした「ミスター・ハロウィン」。各賞に相応しい方を選び、それを投票用紙に書き、投票箱に入れていただく。投票用紙も投票箱もかぼちゃの形をしたもの。おまけに、投票用紙に書き込むペンもかぼちゃのヘッドがついたものと、細かい拘りをさせていただいた。 開票結果の発表までは、美酒を酌み交わし、美食を啄ばみ、会話の華を咲かせていく。投票用紙に、名前を書き込むため、自己紹介だけではわからなければ、名前を聞かなければならない。それだけでも会話の糸口になる。古典などでは、名前を尋ねることは、求愛の印ともされている。こんな仕掛けも「遊びの学校」らしいだろう。 会場がいい感じで和み、賑やかになった頃、コスプレ・コンテストの結果発表が行われる。まず、ハロウィン・クイーンは、2名同時受賞。お揃いのセクシー&ロリータのハロウィン・スタイルの双子(!?)が獲得。コスプレ・クイーンはスタイル抜群のセクシー・バニーが受賞。そして、ミスター・ハロウィンはドラキュラやバンパイアに扮装した紳士が受賞するかと思ったら、セーラー服のコスプレ男子が何故か、他を大きく引き離して受賞という、大番狂わせがある。入賞者には、スタッフTシャツの色違いを特別賞として、プレゼントさせていただいた。 コスプレ・コンテストの後も、また、新たな仕掛けを用意している。参加者の名前を男女別にカード(ハロウィン・ショーカード)に記入。それをかぼちゃの型の容器に男女別に入れ、ミック様が、そのカードをそれぞれに引く。引いたカードがマッチングしたもの同士をカップリングする。 例えは古いが、テレクラのツーショット・ダイヤルみたいなもの。偶然の産物で、カップルが誕生する。会話の機会、契機を意図的に作るとともに、近頃のねるとん、合コン的になったカップリングではなく、偶然の出会いを楽しんでもらうというもの。ひょっとしたら、それが運命の出会いになるかもしれない(笑)。年齢や容姿など、単なる好き嫌いで、遠慮してしまい、話す機会さえ無くすこともある。ただ、男女の仲とはわからないもの。会話の中から、意外な共通点、共感できるものが見つかるかもしれないのだ。 カップルには、15分というツーショット・タイムが与えられる。即席カップルが各所に散り、コミュニケーションを深めていく。あくまでもアピールやコミュニケーションが主眼である。強制的にカップルにして、会話以上のこと無理やりさせるというのではない。 15分のツーショット・タイムを終えても、受講生達の熱い会話に終わりはない。パートナーを変えつつ、自らの願望や妄想を堰きを切ったように語りだす。仮装することで、より自分の思いや気持ちを出しやすくなったのだろうか。ある意味、仮装するだけでも充分に恥ずかしいもの。それゆえ、話しかける恥ずかしさなどはなくなる。何でもいえるようになる。まさに、仮面の告白である。 「大人のハロウィン文化祭」は、夜を徹して行われた。ここでは、詳述できないが、誰もが公開講座や懇談会で培ったものを生かし、その会話に翼をつけ、羽ばいていく。麗しく、艶やかな風情や叙情が会場に溢れる。甘美なる会話をさらに陶酔させる美酒、会場のオーナーから振舞われた心づくしのおでんやパスタなど、食欲を満たしつつ、願望や妄想が像を結ぶ。エロティックでフェティシュな夜というのだろうか。外は、冬のような冷たい雨が打ちつけているが、この中だけは、夏のような熱い空気が渦巻く。 その日、「遊びの学校」の分校には非日常の世界が生まれ、大人のためのハロウィン文化祭が催された。その日の主役達は、深夜、かぼちゃの馬車に乗って(あれ? 物語が変わってしまった!)、余韻に浸りつつ、それぞれの日常へと、戻っていったのである——。