女性向け懇談会「フェミスタ I 」 2009年3月
甘いスイーツと熱いガールズ・トークの密かな愉しみ——女性向け懇談会「フェミスタ」・報告! 

2009年3月7日、少し遅めの雛祭りをさせていただいた。美女が集い、美味しいスイーツを食し、芳しい紅茶を飲み、艶めく会話が躍る——そんな喧しくも華やかな午後の一時である。「遊びの学校」の“雛祭りSPECIAL”として、女性向け懇談会「フェミスタ」を盛会のうちに、終えることができた。 
 
まずは、いつもの通り、その場に集まっていただいた方に感謝したい。40名ほどの方がつめかけていただいた。今回は女性向けというだけあり、参加者のほとんどが女性で、その数は30名近い。その艶やかさと華やかさに圧倒されてしまう。
 
今回、女性向けの懇談会のゲスト講師として、ノンフィクション作家の亀山早苗様をお迎えしたのには理由がある。幹事会のメンバーが各自のサークルで、女性と対峙する中、この世界に踏み出すのを躊躇している方、また、踏み出しながらも戸惑いを抱いている方がいるということを感じている。また、この世界以前に、自分の恋愛やセックスに思い悩む方もいる。そんな女性の後押しになればという思いからだった。
 
現在の男女の性愛事情に精通し、GSに関わる取材も多く、リアルな声を伝える彼女だからこそ、信頼できるというものがある。私達自身、亀山早苗様の著書を数多く読んだが、どれも納得し、発見のあるものだった。いろんな面で、悩み、苦しむ女性に“参考書”として推薦したこともあるのだ。「遊びの学校」が開催する初の女性向けの懇談会の講師は、彼女でなければならなかった。
 
亀山早苗様を囲んだ懇談会は、昨年10月の受講生と講師の懇談会「ホームルーム」と同様の演出させていただいた。前回の懇談会は、六本木の隠れ家サロンをシンガポールのラッフルズホテルの“アフタヌーンティー”をイメージしたものに変えるというもの。三段重ねのスイーツスタンドにケーキやスコーン、サンドイッチを並べ、英国の高級茶葉「ベノア」(『電車男』でお馴染み!)をお出しした。今回は、お気に入りのスイーツを持ち寄り、シェアーするケーキバイキング形式。男性にはケーキのバイキングなど、理解できないかもしれないが、女性には堪らない、垂涎の企画である。
 
前回同様、六本木の隠れ家サロンのラウンジにはキルフェボンやハーブス、アンテノール、アンジェリーナ、しろたえなど、有名どころのケーキやプリン、タルトなどがところ狭しと並び、茶葉は前回好評の「ベノア」とともに、「ルピシア」の春限定の桜の香りがする「SAKURA」を用意した。茶葉を出すのは、以前、喫茶店(普通の喫茶店です!)に関わった経験のある男性受講生。茶葉の量、湯の温度、蒸す時間などもこだわり、最上の状態で、お出しする。そして、サーブするのは当然、男性受講生だが、テレビドラマ『メイちゃんの執事』にも出てきそうな美男子を選りすぐる。
 
BGMには、亀山様が好きだというショパンを、懇談の妨げにならないよう静かに流す。女流作家・ジョルジュ・サンドとの恋愛物語を演じた情熱の作曲家である。男女のラブ&セックスを語るこの場に、こんな相応しい音楽はないだろう。すべてにおいて、“フェミニズム”の“フェスタ”である「フェミスタ」という文字通り、女性向けを徹底させていただいた。
 
“恋せよ、乙女! セックスブルジョワジーの密かな愉しみ”とサブタイトルが付けられた懇談会は、土曜日の昼下がり、「遊びの学校」の名誉校長のミック様の挨拶の後、ゲスト講師の亀山早苗様、今回、司会・進行を務めていただく、女性のリアルライフを取材する携帯小説家・加藤文果様を呼び出して、始まったのだ。
 
 
第一部は「性は生なり——踏み出すための10の提言!」。亀山様が今回の懇談会のために予めメッセージした「性は生なり」を引き合いに出し、“「したいことを自らつかみとろうとしている」女性たちは、年齢に関係なく、生き生きとしています。性は生なり、と私が思うのは、そんな彼女たちを見てきたから”と解説する。それとともに、この世界に踏み出し、謳歌するための10の提言を披露する。当初は後押しをする気持ちだったが、女性受講生を見て、特に後押しなくても自然に踏み出していることを感じ、その必要もないと思ったそうだが、必ずしもそういう方ばかりではない。改めて、10の提言を出していただく。亀山様の「10の提言」は以下になる。ご覧いただきたい。
 
 
1.「やりたいことをやるために」一歩踏み出してみよう。
 自分が変わらないと状況は変わらない。まずは一歩踏み出す勇気を。誰かの力を借りてもいいと思います。
 
2.そのためには流されずに、自分の心とよーく話してみる。
 何をしたいのか、自分は何を求めているのか。「誰かがしていて楽しそうだから」ではなく、本当に自分がしたいことを見つめてみましょう。
 
3.なぜ踏み出せないのか・・・過去の「刷り込み」と関係があるのではないか。
 人間は、自分で考えたことだと思っていても、案外、環境や親や社会から 刷り込まれている「価値観」に縛られていることが多いもの。特に「性」に関して、何らかの倫理観に縛られて、踏み出せない場合、刷り込まれた価値観があるのではないかと考えてみることは必要です。
 
4.刷り込みを踏まえた上で、自分なりの価値観を見つける
 セックスや恋愛に限らずですが、刷り込まれた価値観を見つめ直して、自分なりの価値観を見いだしていくことが重要だと思います。
 
5.興味があること、やってみたいことはやったほうがいいというのが通念。なのに、セックスにはそれが当てはまらないのはなぜか。
 「いろいろな人とセックスするのは、よくないこと」だという通念がある。でも、それはなぜ? 
 
6.恋愛感情とセックスが一致する必要はない。
 性にまつわる欲求と、恋愛感情は一致することもあれば、しないこともある。どちらがいいとか悪いとかいう問題ではないのでは?
 
7.たかがセックス、されどセックス
 三大欲求のひとつではあるけれど、セックスなんてしなくてもなんてことはない。だけど、「したいこと」を追求していく人は魅力的でもある。性へのスタンスは、生きるスタンスにもつながると思います。
 
8.マスターベーションの勧め
 自分の性器を鏡できちんと見たこともないのに、「男の人に気持ちよくしてもらいたい」というのは ちょっと無責任なのではないかしらと思います。自分の快感を自分で知っていれば、相手にお願いもしやすい。単に相手に要求を突きつけるだけではなく、まずは自分で自分を気持ちよくさせる術を得ましょう。
 
9.自分の欲望を素直に認めよう
 たくさんの人に一度に責められたい、縛られたい、縛りたい、自分が責めたい。いろいろな欲求があると思いますが、自分が密かに抱いている欲望を、きちんと認めたほうがいいと思います。
 
10.どこまでできるかは、自分の心と相談を
 GSの世界に入ってはみたものの、違和感があったなら、誰かに相談するもよし、一時期、休んでみるもよし。違和感を覚えながらがんばる必要はありません。
 
 
第一部は基本的に、亀山様の講演が主だが、どうした話の流れか、女性受講生の意外な場所でのセックス体験など、衝撃の告白(!?)も飛び出す。中には、墓地での野外体験をしたという兵もいた。
 
40分ほどの講演後、15分の休憩を挟み、第二部が始まる。その間、ケーキを飾りつけた(!?)テーブルに、女性受講生が殺到したのはいうまでもないこと。二部は、「 女性が楽しむ新しいラブ&セックスの形」。同題をテーマに、亀山様と受講生の質疑応答、懇談である。
 
まずは女性受講生の自己紹介。今回の懇談会にかける思いなども語る方もいた。亀山先生という呼びかけに、亀山様から「先生はやめてください」と、いわれる。亀山様は、先生というような高圧的で気難しい風情ではない。むしろ、親しみやすく、気さくでさえある。女性受講生の信頼すべき姉貴のような存在である。そんなパーソナリティーも反映してか、会場は和やかな雰囲気になっていく。また、司会・進行の加藤様の柔らかい空気感も、軽やかさを加えているようだ。
 
女性にとっての新しいラブ&セックスの形を模索していく。同時にこの世界でのリスクマネージメント、セルフディフェンスなどを語りあう。GSの現場で見聞きした男性の自己満足な行動や言動が糾弾(!?)され、その本音トークは、それを漏れ聞く男性には耳の痛い話ばかり。亀山様の的確な指摘に、目からうろこの落ちるような感覚を味わう受講生達。
 
1時間ほどの熱いガールズ・トーク後、休憩を挟んで、第三部が始まる。三部は「求められる『女と男』とは!?」。同テーマに語り合うことになる。三部からは男性受講生も合流。いままで、紅茶やケーキのサーブなどをしていた男性受講生も加わるのだ。
 
まずは、男性の自己紹介から。流石、女性向け懇談会。圧倒的に女性が多い。その数の多さに少し萎縮気味の男性が話し出す。亀山様の著作は、女性の心理や生態を知る上で、必読でもある。「この世界で求められるには」をテーマに語りだした。女性受講生からの質問に、亀山様が「いつでもどこでも誰とでもできる男性は必要だ」という端的な回答をする。確かに、この世界、そういう男性がいなければ、成り立たない。流石、GSの現場を見続けただけはある。その“できる”という言葉の中には、いろんな思いや行いが交錯する。至言ではないだろうか。
 
また、この「遊びの学校」の男性受講生の中でも最高齢の男性から「何歳まで、そういう対象と見られるか」という質問が飛ぶ。女性受講生からは「年齢は関係ない」という温かい(!?)言葉をかけられる。亀山様が「いつまで受け入れられるか、自問自答し、そのための自分磨きをすること」と、指摘する。
 
さらに、女性受講生から「最近、性欲が減退している」という切実な質問も出てくるが、こればかりは本人次第しかない。性欲を掻き立てる相手を見つけてもらうしかないだろう。その女性は、そんな状況を直裁な言葉を綴っていたが、今回、取材のために来ていただいたルポライターの下関マグロ様の「そういう言葉を発していると、セックスから遠ざかる」という名言も飛び出す。
 
第三部では、男性は得てしてパートナーの見つけ方のようなマニュアル的なことを聞きたがるが、女性はもっとセクシャリティーの本質に関わることを探し求めているようだ。その辺のギャップがこの世界の“女高男低”の状況を引き起こしているようにも感じさせる。亀山様は、そんな世界にあって、女性はちやほやされるから勘違いもしがちだが、常に謙虚さを忘れずにいることの大事さを解き、第三部を締めくくる。
 
再び、ミック様が登場して、閉会の挨拶をする。ミック様も女性の迫力に圧倒されながらも、奥ゆかしさや情感の機微みたいなものの大切さを訴える。当然、マニュアルも否定している。経験や考察を元に、自分で作っていくべきなのかもしれない。
 
あっという間の三時間である。甘くて、熱い時間は過ぎていった。日が暮れる頃、参加された誰も心と身体の満腹感(中にはケーキは相当数、食べた方もいるようだ)を抱き、家路に着く。
 
懇談会から数日後、亀山様から受講された方へ向けたメッセージをいただいた。読んでいただきたい。また、機会があれば、亀山様には、再び講演していただきたいと思っている。さて、アフタヌーンティー、ケーキバイキングと来て、次は何にするか——。
 
 
 
 
みなさま
 
先日は、わざわざ足を運んでいただき、ありがとうございました。つたない話で恐縮しておりますが、少しでも何かお役に立てたとしたら幸いです。私は、ずっと「男女関係」について、記事や本を書いてきました。それはたぶん、私自身が「男女関係」「セックス」について、いつも悩み迷ってきたからだと思います。
 
ハプバーやスワッピングパーティなどに、取材目的とはいえ入り浸ってみたのも、そこで繰り広げられる「男女関係」を自分の目で見て、自分で感じたかったから。当然のことながら、そこにはさまざまな「男女関係」がありました。夫婦で楽しんでいる人たち、恋人同士で楽しんでいる人たち、あるいは自分の快楽を追求している人たち・・・。特に夫婦同士のスワッピングパーティなどでは、妙な「疑似家族」的雰囲気があったりして、それはそれで興味深いものでした。
 
「男女関係」の中で、「セックス」を中心に据えるかどうかも人によります。今では、男性より女性のほうがセックスに積極的だと言われますが、もともと女性の快感のほうが強くて深いのだから、それも当然なのかなと思ったりもしました。
 
「男と女って何?」「男女の絆って何?」「セックスって何?」という長年の疑問に、答えが出ないまま、本を書き続けています。「訳知り顔」で、いろいろ話しましたけれど、いくつになっても、男女関係には、悩みがつきものです。恋人とGSとのあり方に悩んだり、このままGSを求めていっていいのかと考えたりなさっている方も多いと思います。
常に自分の直感を信じ、自分の心の奥深くと対話しながら進んでいくしかないのかもしれません。
 
亀山早苗
 
 
※編集の都合上、発言、質問など、順番を変え、掲載しているところもあります。ご了解ください。