ハプニングバー見学会 「大人の社会科見学 II 」
その特命が発令されたのは、深夜の2時を過ぎていた。
特命一下。受講生達が動き出す。
果敢に動き出した彼らの成果はいかに……。

急転直下。ただの観察者は特命を受け、実行者になろうとしている。
「人生は舞台、主役はあなた」といったのは、故・ポール牧師匠だが、まさにそんな感じだ。
受講生達が主役になろうとしている。
そんな瞬間、受講生達の奮闘ぶりを手に汗握る感覚で、私達は見つめ続けた。

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既に告知したとおり。先週の花金(!?)、10月24日に、「遊びの学校」のハプニングバー見学会「大人の社会科見学Ⅱ」を開催させていただいた。
月末と大雨のため、突然のキャンセルなどもあったが、それでも15名を超える参加者が集まった。
今回はカップル1組を含み、男女がほぼ同数での参加。
まずは、いつもの通り、その場に集まったいただいたすべての方に感謝したい。
また、見学会にご協力いただいたハプニングバーの関係者の方にも改めて、感謝をしたいと思う。

今回も都内で一番、盛り上がっているという新宿の大型店を見学。
前回同様、ハプニングバーへ繰り出す前に、カラオケボックスに集合する。

同所で、簡単な事前レクチャーをするためだ。
カラオケボックスに複数の男女が集まり、歌も歌わないで、歓談するというのも、かなり怪しげな集団かもしれない。

今回、入室するとともにテキストを配布した。
ハプニングバーに見学するにあたっての注意と対処法をテスト形式で、 質問を出し、回答していただくチェックシートだ。
まず、チェックシートに書き込んでいただく。 ただ、講義を漫然と聞き流すのではなく、考えながら書き込み、それを今回のナヴィゲイターであり、コミュニティ「ハプニングバーの楽しみ方とは」の管理人である金太郎様の模範解答と照らし合わせることで、より理解が深まる。
この辺は「ドラゴン桜」方式(!?)を採用した。

爪の手入れや口臭・体臭のチェックなど、簡単な身の回りのエチケットから、会話のこつやプレイの注意点まで、基本の基本を押さえておく。

1時間ほどのレクチャーの後、仕事の関係で、レクチャーに間に合わなかった方と、合流して、今回の見学先へと、新宿の雑踏の中を急ぐ。
さすが、15名を超える団体。はとバスツアーのように、旗を持って、引率したいくらい。

その店は、通りを抜け、目立たない看板を見つけると、階段を降りていく。そこには秘密の扉があり、チャイムを押しと、マスターが出てきて、招き入れられる。
人数が多いだけに、会員登録だけでも時間がかかる。

同店は地下1階と地下2階の2フロアに分かれていて、1フロアはバーラウンジとSMルーム、もう1フロアはプレイルームとラウンジ。
フロアの行き来は、狭い螺旋階段を上り、下りする。

実は、前回のハプニングバー見学会でも使用したところである。
同店のマスターも心得ていて、バーラウンジの一角を私達のために開放してくれ、団体席を作ってくれた。

まずは、乾杯もそこそこに自己紹介。この遊びの基本だ。
話を聞くと、男女ともハプバー初体験者が多い。
参加女性の中にはカップル喫茶はあってもハプバーはない方もいた。
基本的なことだが、ハプバーとカップル喫茶の違いを聞かれた。
カップル喫茶がカップル中心なの対して、ハプバーはカップルだけでなく、単独男女が入場できること、カップル喫茶がスワッピングなどのプレイ中心であるのに、ハプバーは必ずしもプレイが中心ではなく、フェティシュな話題を話したり、SMなども体験できる場所であることを説明する。

全員にアルコールやソフトドリンクなど、飲み物がいきわたると、幹事会の直樹様の挨拶で、乾杯が始まる。
参加者全員、これから繰り広げられる妄想の実現化に胸を躍らせる 。

今回は前述通り、男女がほぼ同数のため、まるで合コン状態で、会話する形になる。
前回同様、箱庭的なミニパーティをするつもりはないので、あくまでも男女のハプニングバーに対する意見交換という感じである。
途中、席替えなどもして、初対面の異性と話すための機会を作っていく。 この辺は、男女交際の基本を教える塾のカリキュラムみたいだ(笑)。

店の方の案内で、数名づつ、各フロアーを探索。その際には店内での諸注意をしていただく。
初体験者は、ハプニングバー独特の作りに驚いたようだ。
SMルームは牢屋のようになっていて、プレイを外から見れるようになっている。
また、プレイルームはマジックミラーや覗き窓があり、そこから、そのプレイを観察できるようになっているのだ。
まだ、開店したばかりで、人も少なく、中では何も行われていないため、内覧会のようなもの。
驚愕の光景を目の当たりするのは、もう少し経ってからのこと。

内覧を終え、席に戻ると、先日の懇談会「ホームルーム」の手法を生かす形で、少人数にクラス分けして、いろいろ、話し合っていただくことにする。
お互いの願望や妄想を披瀝していく。本来であれば、恥ずかしくて、話せないこともあるが、こういうハプニングバーという空間であるから、自然に話せる。
そもそも、同所はいろいろな性癖を赤裸々に表明する解放区(サンクチャリー)でもあったのだ。
抑圧されていたものを解き放つ、そんな感覚かもしれない。

少し経つと、店内も客で溢れかえってくる。続々とカップルや単独の男性や女性が入店する。常連が多いらしく、お互いに挨拶を交わしている。
私自身も数回の入店で、顔見知りになった男性も何名もいる。
この店には、ルールやマナーを弁えた単独の男性いるので、ある程度、安心して、プレイに加わってもらうこともできる。

そうした中、受講生の女性から緊縛のリクエストがあり、講師の金太郎様がそれに応じて、SMルームで麻縄での縛りを披露する。
知らぬ間に、まわりがギャラリーでいっぱいになる。
受講生は、初の緊縛に目を輝かす。

縛られた受講生も、皆に見られることで、うっとりとしている。
見られる快感とでもいうのだろうか。
それは、その受講生の妄想でもあった。 こういう機会でなければ、なかなか、実現しないものだ。

その頃には地下のプレイルームも活気づいてくる。
受講生達は、下へ移動して、プレイルームを覗き込む。
AVやネットなど、ヴァーチャルではなく、リアルに目の前で、繰り広げられているのだ。

受講生達は、階上に戻ると、上気した顔をしている。
初体験に興奮を隠せないようだ。
口々に、その感動と衝撃を語りだす。その初々しさに、微笑ましくもある。

今回は既婚者の参加が多かったため、終電近くになると、徐々に受講生も帰り始める。
人数が少なくなった分、居残り組同士で、会話が弾みだす。
それぞれの武勇伝(!?)を恥ずかしながら、語る。
また、彼らからGS(当然、GSとはグループセックスのこと)とSMなどの差異なども聞かれる。
特にハプニングバーだと、SM的な楽しみとともに、GS的な楽しみも可能だ。
しかし、両者は本来、別のものであり、それがハプニングバーという場で、邂逅したことで、障害も悪弊も起こっている。
未分化のものを細分化する必要も感じていることも確かだ。
この辺は、改めて、「遊びの学校」などでも取り上げていくべき課題と 考えている。

終電を過ぎたあたりから、カップルや単独の男女が続々と入店してくる。
ドアのチャイムが何度も鳴る。流石、不夜城だ。夜はこれからというところだろう。

そして、前述どおり、深夜の特命は、午前2時を過ぎてからだった。
「ライアーゲーム」ではないが、”ゲームの始まりです”の掛け声とともに、居残り組の男性に、カップルや単独女性に積極的に声をかけることを命令した。
まず、下のフロアへ行き、シャワーを浴び、ガウンに着替えていただく。
いつプレイになっていいようにも、準備をしてもらう。まず態勢を整えなければならない。

彼らは、恥ずかしさや照れを払拭し、かつ、欲望や願望まるだしの“ギラる”ことなく、果敢にアタックしていった。

果たせるかな、そのうちの一人がプレイルームへ“突入”。
そこは、私の知り合いがリーダー(!?)となって、カップルの女性を複数で責めていたのだが、目配せをして、入室の許可を取りつけておいた。
残念ながら、プレイは既に落ち着き、まるで座談会状態。
少し遅かったかと思ったが、暫くすると、その男性はカップルの女性と ツーショットで出てくる。プレイルームにあるラウンジのソファーに座ると、すかさず、ドリンクを彼女に差し出す。
ここで好感度アップだ。プレイ後は喉が渇くもの。そんな心配りはしたいところ。
その女性、とてつもない巨乳(AVなら爆乳というところだろう)の持ち主で、きっと、肩こりをしていると、容易に予想がつく。
そんなことを察した受講生が「肩がこるでしょう。マッサージでもしましょうか」と話を向けると、その女性は嬉しそうに頷く。
まず、掌から足裏、そして、肩へと、丹念に揉み解す。
マッサージしながら話題は当然、肩こりの元である巨乳に及ぶ。
「すごいですね。重いでしょう」と話すと、「触ってみる」と、いわれる。
当たり前の如く、断る理由などない。その男性は喜んで、触らせていただく。
聞くと、その感覚はずしりと重く、鉄アレイを毎日、つけている感じだという。

胸を触る——ただ、それだけのこと。たいしたハプニングではないかもしれない。
しかし、それは、どさくさにまぎれたり、断りもなくいきなり触るのとは、大きな違いがある。
コミュニケーションを経た上でのタッチ、それこそがハプニングバーならではのもの。
初めの一歩にしてはささやかなものかもしれないが、大きな一歩だろう。 その胸に触れた感覚は、決して、忘れてはいけないと、その男性に教える。
きっと、それがこの遊びの原点になるはずだ。

さらに、プレイルームへと自然に誘いをかけたが、残念ながら時間切れ。
その女性はご主人とともに、地方から来ているため、宿泊先のホテルまで、戻らなければならかった。
プレイには至らなかったが、まさに上々の首尾といえよう。

他の受講生もカップルに積極的にアプローチする。
中には、音楽話で盛り上がり、本題から外れ、時間も忘れるというところもあったが、しつこくならない程度に食いつくのは悪くない。
まずは、話し掛けなければ、始まらない。その話し掛けも相手に不信感や警戒感を与えるようなものではいけないだろう。

「話しかけろ」という特命。中には玉砕したものもいたが、それも含め、動いたものだけが獲られる結果というものがある。

鬼教官(!?)としても、こんな受講生を頼もしく感じる。
思わず、「でかした!」と、心の中で、叫んだものだ。

ハプニングバー見学会は、店の閉店時間、5時過ぎまで行われた。
ある種の成果を得た受講生とともに、外に出ると、まだ、暗かった。
前回の見学会の時は、外に出ると、明るかった。季節が巡ったことを感じる。
この4月に本格開校した「遊びの学校」、月日は半年が過ぎ、季節も重ねた——。