第六回公開講座 2009年5月19日(土)
「エクスタシーの神秘 “逝き”の構造」
ゲスト|山口みずか (ソープ嬢作家)


“エクスタシーの神秘・逝きの構造”を解き明かす・・・
 
先々月、5月16日(土)に既報通り、「遊びの学校」の第六回公開講座「エクスタシーの神秘——“逝き”の構造」を開講させていただいた。ちゃんとしたご報告が遅くなり、大変、申し訳ない。多忙ゆえのこと、お許しいただければと思う。開講から1ヶ月半ほどになってしまったが、改めて、その模様をご報告させていただく。
 
まずは、いつものように、その場に集まった方に感謝したい。会場は42名という定員がいっぱいになり、空席などなかった。過去最高の動員を記録したのだ。男性だけでなく、女性やカップルなども受講した。特筆すべきは、これを機会に新たに受講する方が多かったこと。それだけ、今回のテーマが興味深く、注目に値すべきものだということを物語っている。
 

そのテーマだが、これまで、主にグループセックスの世界の未経験者、初心者に向けて、入門的な講座を開講してきたが、前回の「GS vs. SM  間違いだらけのSM選び」同様、グループセックスのみならず、セックスの本質や真実に迫るべく、“エクスタシー”、“逝くこと”にさせていただいた。
 
エクスタシーや逝くことは、実はグループセックスとも関連している。逝けないと思い悩む女性がその解決の糸口としてGS体験をするという方も少なくない。また、GS活動する男性には自ら逝くことより、女性を逝かすことにこだわりを持つ方も多いのだ。グループセックスとエクスタシー自体は直接的には結びついてはいないが、GSを語る時、避けては通れない主題でもある。しかし、その実態は正確には把握されてないばかりか、予断と偏見がまかり通る。安易な性技の指南書も蔓延っているのも事実だ。そんな間違った状況を正しつつ、エクスタシーの神秘や逝くことの構造を解き明かすことを目的とさせていただいた。
 
当日は交通機関の影響で、遅れるという方が多かったので、10分ほど時間をずらし、6時10分に、本校の名誉校長であるミック様の挨拶から公開講座を始めさせていただいた。前述通り、今回、初めて受講する方が多かったため、改めて「遊びの学校」やグループセックスについて、簡単に説明をさせていただいた。ミック様が第一部の講師を務めていただく、現役ソープ嬢で、セックスに関する著作の多い作家の山口みずか様を紹介し、壇上に来ていただく。
 
今回、山口様の講演では、医学的用語が多く出るため、予め、タイムスケジュールとともに、教材(!?)として、用語や図版を付記したものを配布している。同教材には、運動神経未熟、能動性の獲得、平坦(高原)期、迷走神経(副交感神経)緊張などの言葉が躍り、「雌雄分化」や「交感神経遠心路と副交感神経遠心路」などの図版が複写されている。
 
第一部では山口みずか様に、豊富な経験と知識を元に、エクスタシーや逝くことに関して、鍼灸師の免許を持つ彼女ならではの思考法や方法論で、解き明かしていただく。観念論ではなく、筋肉や神経系などの解剖学的知識も絡め、男女の快感とも対比する形で語り出す。
 
実は、“エクスタシー”を講座のテーマとしているが、山口様には性的な快感の極地である“オーガズム”について、主に語っていただくことにしている(いわゆるエクスタシーは、精神的な快感で、オーガズムよりは広義の快感である)。オーガズムの実態から逝ける身体作りまでを考察していく。
 
聞き手であるミック様も長年セックスに関わりつつも(!?)、オーガズムやエクスタシーに関しては、神秘として、謎の部分を感じているという。実際に、山口様がこの日のために用意したテキストを紹介しながら、講演の模様を再録していく。前述通り、専門用語が多く、目を通しただけでは難解かもしれないが、語句はグーグルやヤフーなどで検索していただき、時間をかけて、解読していただければと思う。
 
 
まずは、「オーガズムとは何か?」を性反応、性器反応などから解説していただく。
 
【性反応】
性的刺激によって主として全身に起こる変化は、大部分が迷走神経(副交感神経)緊張によるものである。
皮膚⇒性的紅潮
筋緊張⇒不随意的、不規則的、痙攣的収縮 (手足、顔面、腹壁、肋間筋など)
過度呼吸、酸素欠乏
脈拍数、心拍数、血圧の変化
発汗、分泌腺の活動
 
【性器反応】
■興奮期
女性・膣粘滑液の産生 
男性・勃起
■ 平坦(高原)期
女性・オーガズム隆起(膣下方3分の1の膣壁の血管充血)
男性・さらに勃起
■オーガズム期
女性・強い収縮、0.8秒間隔で5〜6回(多い女性は10〜15回繰り返す) 
男性・射精反応。尿道括約筋、球海綿体筋、坐骨海綿体筋、浅深会陰横筋などの規則的な反復収縮によって起こる。0.8秒間隔で3〜4回
■消退期      
 
また、女性器と男性器は以下のように相似器官なので、男性は射精によって逝ける人が多いので、男性から学ぼうとも提言する。
 
【女性器と男性器は相似器官】 
クリトリス=亀頭
大陰唇=陰嚢
小陰唇=尿道底
 
さらに、男性と違い、女性が逝きにくい理由を以下に上げている。
 
【女性の逝けない(逝きにくい)理由は?】
A.精神的、心理的抵抗  男性との関係 性的こだわり、罪悪感、トラウマ、
B.自律神経の乱れ 緊張と弛緩の切り替え、
C.運動神経未熟  能動性の獲得
 
さらに、神経の働きから逝くことを分析していく。
 
【自律神経】 
副交感神経⇒リラックス
交感神経⇒緊張
 
性反応は副交感神経の働きが主。しかし男性の射精反応は交感神経の働き。
切り替えが上手くいくことが逝ける秘訣ではないかと、提言する。
その自律神経を鍛える方法には、呼吸、イメージ(瞑想)、冷えの改善、アロマ、軽い運動などがあるそうだ。
 
【感覚神経⇔脳⇔運動神経】 
“気持ちよさ”をインプットするのは感覚神経(求心性)、アウトプット=逝くのは運動神経(遠心性)と分類し、逝くための回路を作るには、筋肉を呼び起こす。骨盤底筋を鍛える。能動性の獲得。逝かされるではなく、自分で逝くこと——と、分析する。
 
 
主に女性が逝くための方法を提言したが、女性が逝くためには、身体つくりも必要という。ヨガなども有効だそうだ。骨盤底筋を鍛え、稼動部を円滑にし、様々な体位にも対応できるようにするとともに、逝かされるではなく、自分で逝くことを提唱している。いままでとは違うところだろう。
 
男性に関しては、ミック様の講演に譲るとしているが、いわゆる性技指南書などは、いずれも間違ったことを書いてはいず、正しくもある。ただ、それを鵜呑みし、そのまま実践するのではなく、学んだ上で、自信のようなものを身につけ、対応することが必要だともいう。
 
1時間ほどの講演だが、どれも理論的で的確である。それまでの疑問や謎などが氷解していく。変な思い込みは、極力、排されているのだ。
 
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10分ほどの休憩後、第二部の講師を務めるミック様が登壇。まず、グループセックスの世界とエクスタシーというものの関連を語る。一人のパートナーと試行錯誤しながら、エクスタシーの高みに至るというセックスを前提しながらも、様々な相手と様々な手法を用い試行することで、相性を含め、高みに至ることもあるという。そういう意味では、グループセックスという場は、そのポテンシャルに満ちているともいう。もっとも、ただ、闇雲すればいいというのではない。
 
実は、受講生には参加に際して、事前にアンケートを取らしていただいている。その中で、逝くために必要なことはという質問に、安心感、信頼感と、答える人が多かった。
ミック様をそのことを指摘し、「既に、皆様は、答えを知っている」と語る。精神的も肉体的に安心感を与え、解放してもらうことが逝くための第一歩でもあるという。この辺は、山口様が指摘した交換神経との機能とも関連するのではないだろうか。
やはり、安心感を抱かなければ、身体や血流なども逝くための準備をしないのである。グループセックスの場合は、一期一会の場合が圧倒的に多い。それゆえ、濃密なコミュニケーションを経て、関係性の構築が急務でもある。コミュニケーションに関しては、今まで公開講座で学習したものと繋がってくる。
 
第三部は、再び、山口様を呼び込み、ミック様、受講生との質疑応答を行う。一番好き人とセックスの相性などについての質問が飛ぶ。いわば、それが同一でないことで、様々な状況を引き起こしてもいる。山口様は、性格や相性は必ずしも一致しないとし、ミック様はそれに固執すると、未来を閉ざしてしまうことになるともいう。
山口様はバイブなどを試すことを否定はしないが、振動に慣れすぎると、普通の刺激では感じなくなるので、注意すべきと、警告する。反復振動は人力では作れず、同刺激に慣れすぎるのは危険である。しかし、耐性を作ることの必要性も感じているそうだ。
 
 
3時間ほどの公開講座。今回、特筆すべきは、受講生が熱心にメモ書きをしていたことだ。講師陣の言葉のひとつひとつをメモ用紙に書き写しながら、反芻している。
おそらく、セックスについて、こんなに真面目に議論、論考するというのはあまりないかもしれない。元々、「遊びの学校」そのものが前代未聞のことだが、いま一番、セックスを真剣に学習し、習得しようとしているのがこの学校の受講生達ではないだろうか。その真剣で、真摯な態度は、単なる遊びに留まらず、求道的でもある。おそらく、他にはないだろう。
 
「遊びの学校」の公開講座は回を重ね、6回になるが、ここにきて、この学校の可能性をいままで以上に強く感じることができた。やはり、受講生達の真摯な態度がすべてだろう。いくら、講師が真剣に語っても受け入れてくれなければ、それはただの押し付けや自己満足に過ぎない。いま、「遊びの学校」は、可能性に煌いている。私たちが求めているものに少しずつ近づいている。
 
次回の公開講座は、夏休みをいただき、9月になる。詳細は近日中にお知らせするが、是非、また、足を運んでいただきたい。何か、日本にも“大人の遊びの文化”が根付くかもしれない。その作業をともにしようではないか。
 
それ以前、6月にはハプニングバー見学会「大人の社会科見学Ⅱ」(既に6月19日に開催。近日にその模様をご報告させていただく)、7月11日(土)に女性向け懇談会「フェミスタⅡ——庭園茶会—Girl’s Picnic At Hanging Rock」を開催する。特に、「フェミスタⅡ」は、グループセックス経験者、未経験者の女性に集まっていただき、ミック様の案内で、女性限定、男性の目を気にせず(男性はミック様とスタッフのみ)、グループセックスについて、語り合うというもの。是非、注目していただきたい。いまからでも遅くないので、積極的な参加をお待ちしている。