第二回公開講座 2008年6月26日(土)
「新女性上位時代 フェチミズム あなたの妄想は実現する」
ゲスト|井上メイミー(「我楽」広報・「カーミラ」元編集長)
まずは、いつもの通り、その場に集まっていただいたすべての方に感謝したい。毎回、グループセックスの実技なしの講演のみの講座に、どれだけの人が集まるか、と不安のうちに始めるが、今回もお陰様で、40名近い方が受講してくれた。
 
会場は前回同様、ホテルやサロンなどではなく、一般の会議室。周りは、マルチ商法や自己啓発セミナーの説明会だけでなく、“微笑み美人コンテスト”の面接や“幸せになるため”の恋愛講座などが開講されている。 もっとも胡散臭くない、本公開講座の会場には、前回同様、男性のみならず、女性も多くかけつけ、カップルで参加される方もいた。改めて、関心の多さと、開催の意義を実感する。
 
先週末、2008年6月28日(土)に開催された「遊びの学校」の第二回公開講座「新女性上位時代—フェチ・ミズム—あなたの妄想は実現する!」。 今回は女性中心というテーマに則して、元レズビアン雑誌の編集長で、現在は女性向けアダルトグッズの開発・広報を手がける井上メイミー様の講演、そして、最近、グループセックスの世界にデビューしたGS初心者女性2名を招いての座談会を行った。
 
まず、第一部は、本校の名誉校長である「遊びの時間」のミック様の挨拶から始まる。
 
「正しいセックス」と「グループセックス」、この一見、相反するようなものが、実は親和性があり、グループセックスの中に、その核心があることを教えてくれるのだ。それが女性中心というセックスの捕らえ方であり、グループセックスは単なる複数プレイを意味するのではなく、スワッピングや乱交、3Pなどを含みつつ、ハプバー、ソフトSM、フェチなどを包括する世界の総称であると、提案している。
 
ある種、女性の妄想や願望を中心に、その実現のために、男性が存在するといってもいいだろう。世間では、いまだに男性中心のセックスが蔓延っている。せめて、この世界では、女性中心であってほしい。また、男性は、自らの願望や欲望に専心するのではなく、女性の妄想や願望の実現を楽しむ余裕が欲しいところ。女性上位という考えを実践すべきだろう。
 
ミック様の紹介で、井上メイミー様が登場。
 
とても華やかな雰囲気のある方で、喋り始める前から、その場に典雅な風情が漂いだす。ミック様が質問者となって、彼女の発言を引き出していく。彼女は、レディースマガジン(女性向けアダルトコミック=レディースコミックの実写版!?)の編集者として、アダルト業界にデビューした。
 
まず、10年以上も前に、女性向けに、セックスを大胆に扱う雑誌が成立するという現象、つまり女性がセックスに積極的になるという現場を見てきたわけだ。同誌には、素人女性がAV男優とのデート企画(勿論、過激なデートもあり)が有名で、多くの男性は当然、やらせだと思っていたが、実は本当に素人の女性で、目線をつけないほうがいいくらいに綺麗という方が多かったという。また、デート企画だけでなく、乱交パーティやカップル喫茶などの取材もしていた。 それだけ、女性がそういうものに興味を持っていることの証明である。
 
また、同誌ではレズビアン企画もあり、AV女優とのデート企画もあった。それが発展して、レズビアン雑誌の編集長にもなった。同誌時代にはレズビアンパーティも企画したことがあり、女性同士のエロ噺が中心になり、なかなかセックスまで至らず、苦戦(!?)したという経験談も披露してくれた。
 
そして、アダルトグッズ開発としては、これまでのバイブやローターが男性主体の考え方で、ちゃんとモニタリングもされてないことに疑問を感じ、女性の快感や願望を優先したものを開発するに至ったという。おしゃれで清潔であることを意識したという。
 
そうした現場で感じたのは、男女の二極分化。男性はどんどんオナニスト的に、自慰的な自己満足に入り込むのに対して、女性は、バイブなどの使用を含め、どうしたらパートナーなどと気持ちいいセックスができるかを追求しているということだ。その辺を自覚していないと、“まだ、30、40年は大丈夫だけど、いずれは男性は不要になってしまう”という大胆予想も披露していただいた。
 
第二部は、この世界にデビューしたばかりの初心者女性を2名を招き、ミック様との座談会。
 
座談会に出席した彼女達は、ともに20代前半で、最近、3Pやカップル喫茶、パーティ、ハプニングバーを経験したという。その初々しい若々しさがビジュアルからも伝わるが、その言葉は辛辣だ。いささか、男性には耳の痛い話である。
 
まずは、男性の“勘違い”や“誤解”を手厳しく批判する。AVをそのまま真似たような激しい指使いや不自然な体位から、SMを勘違いした乱暴な言葉遣いや粗暴な振る舞いまで、実際、パーティなどで、嫌な経験をしているだけに、具体的で、明快である。会場の女性からも賛同の声が上がる。言って欲しかったことを、言ってくれたみたいな爽快感があるようだ。
 
また、彼女達自身、いろんな願望や要求を持ちながらも、それを受け入れる男性が少ないことを嘆く。さらにプライベートなセックスでも相手のことを考えない、自己満足的な行為に、辟易したことを語る。
 
「おらおら!」を連発した言葉責め(!?)に、思わず、無言になってしまったこともあるそうだ。
 
彼女達、同世代ながら、グループセックスに対する考え方も違う。あくまでも快楽を追求し、修行の場とする実利派と、快楽の中にも癒しなどを求める浪漫派の二人である。ある意味、グループセックスの世界に参加する女性が単一でないことの証明であり、こういう世界に興味を持つ女性は淫乱であるという紋切り型の捕ら方をしてはいけないということだろう。
 
彼女達は、この世界の初心者ながら、特別なわけではない。やはり男性の勝手な思い込みや自己満足の犠牲になりたいと思ってはいない。パーティやハプバーでは、ぎらいついている、がっついてる男性は一目でわかるから、そういう男性とは、絶対、相手をしたくないという。ちゃんと、コミュニケーションを取ること、焦らず、ゆとりをもって欲しいそうだ。
 
「メインではなく、デザート感覚で食べてほしい」
 
「一週間、断食をして、いきなり食べ放題の店に来たんではないから」
 
と、名言(!)を連発してくれる。
 
会場は大爆笑である。その笑いには毒があるというところだろうか。前回の講座の“真摯さ”とは一味違う“面白しさ”が溢れていた。
 
第三部は、ミック様、井上メイミー様、初心者女性2名が一斉に壇上に並ぶ、質疑応答である。
 
その模様は、何かミック様がパフュームを従えているという感じになる。まさにキュートでセクシーな講師陣だ。
 
パーティなどの女性同士の絡みはあるけど、男性同士の絡みがないこと、レズビアンにおける役割分担など、普段知りえないことに対して、興味津々の質問が飛ぶ。また、男性が逝かすことに拘るあまり、女性中心といいながらも、それは男性の自己満足の産物であることも指摘される。逝くということに関しては、スローセックス、ポリネシアンセックスの話題も出る。会場には、同内容を知らない男性もいて、それを説明したのが座談会に出席した初心者女性の一人だった。ある種、そんな事実に、現在の女性と男性とのセックスに関する知識や認識の誤差が出てしまうもの。
 
“目から鱗”的な話がたくさん飛び出してきたが、そのセンス・オブ・ワンダーを驚きではなく、自戒を込め、真摯に受け止めたいところだ。
 
質疑応答の最後には、楽園族の直樹様から7月のハプバー見学会と妄想歓談・交流会のお知らせをさせていただいた。それで、会を締めることになっていたが、最後にセンス・オブ・ワンダーなサプライズ企画を用意しておいたのだ。
 
実は、今回の公開講座の司会を務めていただいたエロライター(本人談)の下関マグロ様が先日、結婚。50歳にして、初の結婚である。それを祝い、「遊びの学校」から花束と写真たてを送らせいただいた。勿論、プレゼンターは、可憐なエロマテラピストの眞山寛子様と、妖艶な色香漂う女性受講生に、お願いした。
 
こうして、盛会のうちに、「遊びの学校」の公開講座の第二回目は終了した。講座を終え、会場である繁華街の駅前の交差点で、信号待ちをしていると、俳優の浅野忠信が一人で歩いて、目の前を横切っている。同行した何人かは気づかなかったが、私自身、彼に似ているとよくいわれる(というのは、とんでもない嘘!)ので、普段から意識していたせいか、すぐにわかった。いわば、映画『モンゴル』(2007年 ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル映画) で、ハリウッドでも話題になる銀幕のスターが普通に市井にいる。
 
何か、この世界の有り様もそんなところかもしれない。遠いように見えて、近かったりする。勿論、そこに至るには、その場に相応しい自分になること、自分磨きが必要だ。
 
なお、次回の公開講座は9月以降を予定している。その前には、今回の講座のテキストを再録して、コミュニティやブログで掲載を予定している。暫く、お待ちいただきたい。